イマネ・ヘリフ選手の性別は女性でトランスジェンダーではない?XYアスリートの性別枠問題

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パリ2024オリンピック・ボクシング女子66キロ級、

開始46秒でアンジェラ・カリニ選手が棄権した2回戦の試合が議論を呼び、

結果として全試合で1ポイントも許さずに金メダルを獲得したイマネ・ヘリフ選手。

ネット上ではオリンピックが終わった現在も懐疑的な声が出ています。

というのも、イマネ・ヘリフ選手は昨年行われた世界選手権で性別適格性検査が不合格となり、

出場権を剥奪されていた人物。

イマネ・ヘリフ選手から発端したオリンピックにおける性別騒動を追っていきます。

イマネ・ヘリフ選手のプロフィール

イマネ・ヘリフ Imane Khelif

Imane Khelif | إيمان خليف (@imane_khelif_10) • Instagram

身長178 cm
国籍アルジェリア
誕生日1999年5月2日(25歳)

イマネ・ヘリフ選手はトランスジェンダーではない?

パリ2024オリンピック・ボクシング女子66キロ級2回戦。

開始早々イマネ・ヘリフ選手の強打を浴びたアンジェラ・カリニ選手は棄権することを選びます。

イマネ・ヘリフ選手は昨年の世界選手権にて、

国際ボクシング協会(IBA)のもと行われたDNA検査(性別適格性検査)で不合格となり、

女子ボクサーとしての出場に関して失格となった経緯がある人物。

女性枠での参加を拒否されたということは、つまり男性的な部分があったのです。

イマネ・ヘリフ選手はXY染色体を持っていることが分かりました。

試合中、イマネ・ヘリフ選手の強烈なパンチに身の危険を感じたアンジェラ・カリニ選手は、

「自分の命を守らなければならなかった」と涙ながらに棄権。

この事態に納得がいかないアンジェラ・カリニ選手は怒りの声を上げ、

握手も交わさずリングを去りました。

イマネ・ヘリフ選手は、世界選手権では出場資格が認められませんでしたが、

五輪に関しては国際オリンピック委員会(IOC)が出場を認めています。

パリ2024オリンピックのボクシングはIBAよりも緩いルールを持つ

IOCのパリ2024ボクシングユニットの管轄下で運営されているからです。

ちなみにイマネ・ヘリフ選手は東京2021オリンピックも出場しており、準々決勝まで進出しています。

本来運営すべきIBAはガバナンス問題や審判スキャンダルをめぐる問題のため、

パリ2024オリンピックのボクシング運営が禁止されています。

しかしなぜXY染色体を持ち身体的には男性といえるイマネ・ヘリフ選手が

女子として参加を認められたのでしょうか?

それはイマネ・ヘリフ選手の性別が生物学的にも性自認も女性であり、女性として育ったからです。

彼女の身体はたまたま男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が多い

ハイパーアンドロゲンという特異体質の持ち主であったのです。

性の明確な区別がつけにくい選手の出場枠問題

とはいえ、イマネ・ヘリフ選手のケースでは骨格や筋肉量は男性に近いため、

他の女性選手よりも身体的に優位であるのは事実。

女性男性という明確な区別がつけにくい「インターセックス」というカテゴリーに属するアスリートを

どちらの性で参加させるべきか?別枠を作るべきか?…は、今後も議論が必要な難しい問題です。

男性から女性になった人が女子大会に参加する、いわゆるトランスジェンダーとはまた違い、

イマネ・ヘリフ選手の場合は「女性として生まれ育ち、検査で男性に近い身体だと分かった」パターン。

米国の著名ボクシングジャーナリストのピーター・バデル氏は今回の件について、

「医学的に言えば、これは女性がステロイドを服用するのと同じだ。」

「ヘリフは女性と戦うべきではない。」

と筋肉増強作用のあるドーピングと同じだと強調。

さらに「Y染色体を持っている人は女性ではなく男性であると言わなければならない。」

と問題の本質を指摘しています。

結論としてピーター・バデル氏は今回の件の危険性を次のように強く主張しています。

「彼女は危険すぎる。リング上で相手を傷つけたり、殺す可能性がある。」

ヘリフの出場を容認し続ければ、今後の試合で不測の事態が起きかねない。」

イタリアのジョルジャ・メローニ首相もこの件について、

「この試合は初めから公平なものとは言えなかった。」

「性別を巡る問題についてのいくつかの極論は、とりわけ女性の権利を脅かすリスクを持っている。」

男性の遺伝的形質を持っているアスリートは、女子カテゴリーの試合に参加するべきではない。」

「これは誰かを差別するためではなく、女性アスリートが公平な条件で競う環境を守るためだ。」

と見解を示しています。

XYアスリートを女性と戦わせるべきではない論

イマネ・ヘリフ選手のようなXY染色体を有するアスリートは女性より優位性を持っているのは事実。

実際、XYアスリートは女性よりも162%も強いパンチ力を持っていることが研究データで明らかにされています。

またXYアスリートは脚力が65%、上半身の筋力が90%も優れており、女性ボクサーの筋力をはるかに上回っていることも分かっています。

女子ボクシングに出場すれば圧倒的な攻撃力を持っているのなら、XYアスリートが圧勝するのは当たり前。

欧州ボクシング連盟会長を務めるイオアニス・フィリパトス博士は

「XYアスリートが女性と戦うなんてありえない」と女性ボクサーがXYアスリートと戦う危険性を指摘。

IBAコーチ委員会のガブリエーレ・マルテッリ委員長も

「パリ2024オリンピックでXYアスリートと戦う女性が重傷を負う可能性がある。」

と懸念していました。

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